神様のくれた赤ん坊 (1979)

子供を押しつけられた同棲中のカップルの父親捜しの旅を描く。脚本は前田陽一と同作の南部英夫と荒井晴彦の共同執筆、監督も同作の前田陽一、撮影は坂本典隆がそれぞれ担当。

監督:前田陽一
出演:桃井かおり、渡瀬恒彦、樹木希林、曽我廼家明蝶、河原崎長一郎、吉幾三、小松政夫、嵐寛寿郎

神様のくれた赤ん坊 (1979)のストーリー

同棲中の森崎小夜子(桃井かおり)と三浦晋作(渡瀬恒彦)のところに、見知らぬ女(樹木希林)が六歳ぐらいの子供を連れて現われ、晋作の子供だと言って押しつけていった。女の話では隣りに住んでいた明美という女が坊やを残して駆け落ちし、置手紙に晋作をはじめ五人の男の往所氏名が書いてあった。新一という坊やの名はあなたから取ったのだろう、と小夜子はむくれている。

窮した晋作は新一を連れて父親捜しの旅に出た。小夜子も、ふるさとを探すと言って付いてきた。最初に名前のあった尾道の田島啓一郎(曽我廼家明蝶)は、市長選挙に立候補中だったが、事情を話すと、田島は十年前にパイプカットしていて、晋作は恐喝で逮捕されてしまう。結局、秘書(河原崎長一郎)が田島の名をかたっていたことがわかり、養育費として三十万円を貰うが、血液型から父親ではなかった。

別府では第二の男、福田(吉幾三)はおりしも結婚式のまっ最中、小夜子が百万円をふんだくったが、これまたシロ。天草で母親の生家に立寄った小夜子は母、千代が長崎丸山の大野楼にいたことを聞く。そして、千代は唐津に移ったという。

第三の男は元ライオンズの選手で、今バーテンをしている桑野(小島三児)だが、みじめったらしく逃げ回るばかりだ。その夜、意地とやせ我慢で関係のなかった二人は、久びさに燃えた。仲直りした二人は唐津に向かい、そこで、小夜子は子供の頃の風景に、しばし、思い出に耽る。

最後の一人は、若松の川筋者、高田五郎。五郎の家に行くと、親爺の幾松(嵐寛寿郎)が出て「五郎は死んだ」とのことで、未亡人のまさ(吉行和子)が、新一を引き取ると言う。亡くなった五郎は発展家で、よそで作った子供は新一で四人目だそうだ。ところが、晋作と小夜子は長い旅をともにした新一に情が移り、別れるのが辛く、まさに新一を託して高田家を出たものの、再び引き取りに戻るのだった。

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